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材木屋時代の在庫が、以前借りていた土地に十年程前まで保管されていた。
希少なものや、良質の材が多数あった。
そこを立ち退かねばならなくなった際、やむなく、その殆どを数寄屋大工さんに只であげてしまったが、あげずに取って置いた板材がある。
秋田杉の羽目板である。
三十年以上解かれずにいた紐を初めて解いた。
古色に染めて、玄関にでも使おうと思ったのだ。
カンナを掛けてみると美しい木目が現れ、着色する気が無くなった。
サンダーで更に仕上げ・・・
浮造り(うずくり)用の道具で木目を引立たせる。
蜜蝋ワックスで磨き上げた。
古色に染めた柾目(まさめ)の秋田杉を、錆竹のジョイナーで間に挟みアクセントを出そうと思う。