2011年1月24日月曜日

移転計画 9

材木屋時代の在庫が、以前借りていた土地に十年程前まで保管されていた。

希少なものや、良質の材が多数あった。

そこを立ち退かねばならなくなった際、やむなく、その殆どを数寄屋大工さんに只であげてしまったが、あげずに取って置いた板材がある。

秋田杉の羽目板である。

三十年以上解かれずにいた紐を初めて解いた。

古色に染めて、玄関にでも使おうと思ったのだ。


    カンナを掛けてみると美しい木目が現れ、着色する気が無くなった。


サンダーで更に仕上げ・・・


浮造り(うずくり)用の道具で木目を引立たせる。


蜜蝋ワックスで磨き上げた。


古色に染めた柾目(まさめ)の秋田杉を、錆竹のジョイナーで間に挟みアクセントを出そうと思う。




2011年1月22日土曜日

移転計画 8

様々な打合せや、塗装等で現場に通い詰めている。

そんなある日、屋内に美しい野鳥が迷い込んでいた。

ジョウビタキだ。



現在地より車で5分程しか離れていないが、

空気の質や生態系はがらりと変わる。

野うさぎや、ナナフシ(虫)も見たが、野鳥もまた多い。

コゲラ(キツツキの一種)が木をつついて、軽快な音を響かせている事も、

キジや、コジュケイの声を聞くのも稀ではない。

ここには沢山の友達がいる。




2011年1月16日日曜日

初窯

2011年の初窯。

還元です。


Sさんのぐい呑み。

赤土と半磁器土を練り上げ、炭化しました。


Yさん、土灰釉と、コバルト窯変マット釉の掛分け。


Tさんの鉢。

マグネシアマット釉と、織部釉の掛分け。

還元で赤く発色する銅が、マグネシアマット釉との関係であずき色になり、

とても趣があります。


Мさんの小鉢。青白磁釉です。


Sさんの炭化による、酒器セット。


Yさんの深鉢。

土灰結晶釉と青白磁釉を重掛し、炭化しました。

複雑な釉調です。

 

同、内側。


Мさん、撥水剤で釉を抜いて、炭化の効果を引き出してます。


ベテラン、Nさんの掻き落としの作品。


Kさんの飯椀。

呉須(酸化コバルト)を薄く下塗りし、藁灰釉を掛けています。




2011年1月8日土曜日

移転計画 7

ここひと月ほど、塗装の研究に没頭している。

柱や梁などは、使い慣れ、風合いも気に入っている「関西ペイント」のオイルステインで仕上げたが、床や腰壁、天井等、板材で面積の大きい場所は、自然系の水性塗料で仕上げようと決めていた。

ところが、いざ使ってみると上手く行かないのだ。

色も風合いも気に入らず、何より数倍手間が掛かる。

塗装は子供の頃から親しんで居り自信があったのだが、水性は初めてだ。

詳しい友人等も居るのだが、聞いてしまえばそれで終わりである。

自分で解らなければ身にならないので、色々取り寄せ試験を繰り返している。


静岡の「大橋塗料」さんから取り寄せた、ワンダー水性1液型、ワンダーステイン(キャピタルペイント)。ドイツの自然塗料メーカー、リボス社の蜜蝋ワックス「グレイボ」等。



 リボス・カルデット(植物性オイル塗料)、サンプル。


他色の塗り重ねや、顔料(ワンダーステイン)の添加等で好みの色を探す。


「グレイボ」を塗り磨くと自然な艶が出る。


古色の茶系とは別に、もう一つ出したい黒みがかった色がなかなか出なかったが、ふと思いつき墨(墨汁)を混ぜてみたら決まった。

これは水性の利点であろう、墨汁が混ざるのだ。

塗料の着色材は、金属の微粒子が主だと思う(たぶん)。墨も炭素の微粒子で褪色の心配もない。

赤みを出したければ、弁柄の添加も良いだろう。


塗装も深い!


2011年1月1日土曜日

明けましておめでとうございます。


2011年の幕開け。

優しい空が広がる。


 元旦の朝は、氏神様に詣でるのが恒例だ。


古い御神札をお焚き上げし、新たに頂く。


御神酒が染み渡ると、漸く新年を実感する。

本年も宜しくお願いいたします。